帯同報告集

日台親善高校野球(台湾)

上野隆司(藍野医療福祉専門学校 理学療法学科)

(現・関西医科専門学校)

20世紀も残すところあとわずかとなった12月22日〜29日の8日間、日台親善高校野球滋賀県高等学校選抜チームの台湾遠征に帯同させていただきました。
遠征前に聞いていた話として、最近の台湾遠征チームはほとんど負け越しているということでしたので、何とか勝ち越したいという気持ちのあった遠征チーム は、これまでに例のないような17日間という国内練習(2度の国内合宿を含む)を実施しました。気温差も含めて出発前は色々と不安もありましたが、練習の 成果でチーム内の結束も強まったためか、帯同した理学療法士の運が良かったためか、5試合行い4勝1敗という好成績を上げることができました。

その中でも最も印象に残っているのが2勝1敗で迎えた第4戦、勝ち越しのかかった大事な試合は息詰まる投手戦、0対1で迎えた9回表2アウト、ランナー 1塁、9番バッター、何とかつないでほしいと皆が見守る中、打球は何とレフトスタンドへ、鳥肌のたった一瞬でした。このときばかりは理学療法士としてでは なく、チームメイトといって良いかわかりませんが、そのような気持ちになりました。

理学療法士しては、遠征を通じて大きなアクシデントもなく、選手の試合前の処置や投手を中心にした試合後のクーリングダウン・リコンディショニングに努め ました。国内練習の時はそれほど処置件数も多くなかったのですが、台湾では連戦が続いたためか、選手が私の役割を理解してくれたためか、延べ件数で試合前 の処置が28件、リコンディショニング11件、救急処置2件ありました。

もう一つ今回の遠征で私自身が意識したこととして、選手の意識を自身のコンディショニングに向けていくことでした。遠征の期間だけでなく、選手生活を送るために何が必要であるか、そういったことが何か1つでも、十分でなくても残ってくれることを望んでいました。
例えば、このストレッチングはこの部位に伸張感が必要で、その肢位を形だけ模倣するだけでは不十分であるといったことを説明しながら実施したりしました。 選手達が行うウォーミングアップのジョギングにさえついていけない「口だけの理学療法士」でしたが、こういったことを選手に意識させていくことも重要な役 割であると考えていました。選手達がどの程度理解してくれたかはわかりませんが、今後の活躍を楽しみにしています。

最後になりましたが、このような貴重な機会を与えていただいた日本高等学校野球連盟、滋賀県高等学校野球連盟ならびにスポーツ傷害理学療法研究会の皆様に深く感謝いたします。