メディカルサポート紹介

国際親善野球大会(アメリカ) 2002年

吉本陽二(大阪府立看護大学医療技術短期大学部 理学療法学科)

(現・奈良東病院 リハビリテーション科)

2002年8月24日から9月7日の15日間、全日本高校野球チームの国内合宿とアメリカ遠征に帯同させていただきましたので、その概要を報告します。

第84回高等学校野球選手権大会で明徳義塾高校の優勝が決定した後に全日本チームのメンバーが発表されました。今回の遠征では、全米選抜チームエキジビションマッチ1試合を含む全4試合の対戦を行いました。
8月25日に中沢佐伯野球記念会館にて結団式が行われ、役員・選手の全員が初めて顔を合わせました。全日本チームの構成は、役員が私を含め9名、選手は 投手7名、捕手3名、内野手5名、外野手3名でした。今回の遠征に帯同した審判員の方が救命救急士の資格を持たれており、非常に心強く感じました。

国内合宿に入る前より、選抜された選手の甲子園大会中の検診結果やサポート記録を抜粋したり、アレルギーや既往歴の有無などの問診票の作成など、遠征帯 同経験のある理学療法士から助言を受けながら準備をすすめました。国内合宿の主な仕事は、練習前のウォーミングアップと練習後のクールダウンとアイシン グ、疲労度の高い選手を中心としたコンディショニングと練習中の水分補給を促すことでした。その他にも過去の帯同経験者からのアドバイスを活かし、毎日の 体重測定と体調の聴取やうがい薬の配布などにより選手の体調管理にも積極的に関わっていくようにしました。

例年の整形外科診察では、投手の疲労所見が著明であったようですが、今年は、全体的に投手の疲労度は低く、野手と同程度であり、国内合宿中にコンディ ショニングを希望した投手と野手の数は各3名程度でした。コンディショニングを行った投手の1人の選手は、腱板筋トレーニングやストレッチの方法を自分自 身で勉強し、実行していました。しかし一方では、アイシングを否定する書籍などもあります。何故、アイシングが必要なのか、どのようにすれば効果的なのか ということをさらに追求し、アイシングに限らず傷害予防に関する情報を、今後も甲子園という場を通じて選手たちに提供していきたいと思います。
アメリカ遠征中は、選手はホームステイをしていたため、サポートは全てグラウンドでの対応となりました。
サポート内容は、ウォーミングアップ、クーリングダウンと試合後のアイシングを中心に、爪割れの処置やテーピング、デッドボールに対するアイシングなどを 行いました。試合中の審判員への水分補給も甲子園と同様に3、5、7回に高校野球連盟の役員と手分けして行いました。
3連戦ということで投手と捕手からのコンディショニングの要望が多く、試合前や試合中の時間を利用してのコンディショニングを実施しました。コンディ ショニングを行いながら、具体的なストレッチの方法などを指導し、ホストファミリー宅に帰宅後に自分で行うよう徹底し、自己管理の重要性を説明しました。 選手一人一人が、今回の遠征で得た知識や経験したことをもとに、自己管理について考えていってもらえたらと思います。過去の遠征ではデッドボールで医療機関受診したなどの話を聞いていましたが、幸い大きな外傷や体調不良もなく全員揃って最終戦を終えることができました。

今回、アメリカ遠征への帯同を通じて理学療法士として初めて体験することが多くあり非常に勉強になりました。また、様々な立場の役員の方から色々なお話しをお聞きできたことは、本当に人生の財産になったと思います。

このような貴重な機会を与えてくださった日本高等学校野球連盟ならびにスポーツ障害理学療法研究会の皆様に深く感謝申し上げます。